2012年06月末をもって、会社を退職しました。
初期衝動をもう一度
2010年09月まで、小さい会社でプログラマーとして客先常駐の案件をひたすらこなしていました。社会人になって長年、普通のプログラマーとして生きて来ました。目の前に与えられた仕事を完遂すべく、C から始まり、Java、C++、C#、VB、.NET、WPF、と色んな言語と環境にチャレンジし、たくさんの経験を積みました。しかし、いつしか、何故、自分がプログラマーになろうと思ったのか、その初期衝動とも言うべき感情も忘れ、ただのコーディングマシーンに成り下がっていました。
そんな中、社内で新規開発チームを組んで自社製品を作ろうという試みが、私の運命を変える一つのきっかけになりました。
素晴らしいアイデアを思い付いた訳でもなく、自社製品をリリース出来た訳でもありません。ただ一つ、純粋に「創る事の楽しさ」を実感出来たのです。それは、私がプログラマーになろうと思った初期衝動そのものでした。大学4年の卒論で初めて PHP に触れ、コーディングしたプログラムが動いて画面を表示した時の感動、チープながらもバイト先の在庫管理システムを創っていた時の楽しさが、まるで、フラッシュバックのように思い出されたのです。
2010年になり、強くその初期衝動を追い求めるようになりました。今まで寝ていただけの通勤時間は、全て勉強の時間に充てました。PHP の Zend フレームワークの技術書を購入し、知り合いの紹介で実際に稼働している Web サービスのお手伝いもしました。それから、Ruby、Rails の技術書を買い漁り、どんどん自分へ投資するようになりました。プライベートな時間を割いてまで何かを創りたいと思ったのは、プログラマーになってからは初めての事でした。
初期衝動をもう一度味わいたくて、心機一転、2010年10月にこの会社へ転職しました。
変化、変化、変化
この会社に入社する前は、ガラケーだったし、Twitter も Facebook もやってなかったし、Git も Heroku も知らなかったし、Mac も触った事がなかったし、最新情報のアンテナも張ってなかったし、勉強会にすら参加した事がなかったし、今と比べると、もう本当に別人のようです。人間って、変わろうと思えば、幾らでも変われるモンですね。ただ変わりたいと願うだけではなく、変わる為に行動し続ける事が大切です。
常識に縛られない事と、変化を柔軟に受け入れる事で、自分が成長のループの中に居る事を実感する事が出来ました。これは、会社という組織体によるモノではなく、一緒に働いていた仲間や、勉強会で知り合った仲間によるモノが大きく起因していたと思います。
初期衝動のその先
また、「創る事の楽しさ」の先に、「創る事の難しさ」がある事を知りました。そこから、アジャイルサムライのインセプションデッキ、リーンスタートアップなどにも興味を持つようになりました。
やみくもに、エンジニアとして技術ばかりを追い求めていたら、今までの私だったら、まず、興味を持つ事は無い領域だったろうと思います。
もう一度、エンジニアへ
2012年に入ってからは、社内事情により、私がコードを書く事は無くなりました。エンジニアとしてではなく、プロジェクトマネージャーとしての管理業務が続き、モチベーションも徐々に低下し始めていました。私は、コードが書けないストレスを発散する為に、行きと帰りの電車内で、ただひたすらコードと遊んでいました。今まで参加した事も無い勉強会にもたくさん参加するようになり、新しい知識と触れ合って刺激を受けたり、エンジニアの仲間を追い求めるようになりました。完全に、日々の業務でエンジニア業に関われない反動から来ていたと思います。
もう一度、エンジニアになりたい。
ただ、それだけの想いで、会社を飛び出す事にしました。人生の中で、仕事をしている時間が最も長い為、その時間は楽しくあるべきだと考えています。もっとエンジニア業に携わっていたい、もっとワクワクしたい、もっと自分らしくありたい。
これから
幸運にもお声掛けしてくれた仲間が居るので、しばらくは、そこでエンジニアとして、より一層の高みを目指して頑張りたいと思います。