やぁやぁ!
今回は、子どもテストの最終回「考察編」です!今までの記事は、こちらをどうぞ!
さて、子どもテストを終えたところで、とりあえず、一仕事終えた感はありますが、まだ、やるべきことが残っています!それが、子どもテストの考察です!今回の子どもテストはどうだったのか、言語化していきましょう〜!
📝フィードバックを書こう!
子どもテストを終えたら、記憶が新しい内に、フィードバックを書きましょう!フィードバックとして書くべき内容は、大きく分けて2つあると考えています。
- 事実(あったことありのまま)
- 所感(観察を通して感じたありのまま)
子どもテストをしているときに起きた「事実」だけを、まず、書き出します。次に、自分が感じたことを「所感」として書き出します。
「事実」と「所感」を分けて書き出す理由は、一緒くたにしてしまうと、子どもテストの結果を上手く考察出来なくなってしまうからです。
このフィードバックは、子どもテストを共有するプロジェクトメンバーが読むことになるため、どういう結果だったのか、その結果を踏まえて観察者はどう感じたのか、を分かりやすく伝える必要があります。
では、具体的に、どういう感じで書いていくのかを見て行きましょう!
👀事実を書き出す
子どもテストをしているときに起きた事実を全て書き出します。書き出すときのポイントとしては、どの画面で、どのタイミングで、どういう操作をして、どういう表情をして、どういうプレイをして、どれくらいのスコアが出たのか、という観点で、なるべく、詳細に書き出すことです。
もし、子どもテストの様子を録画していた場合は、動画と合わせて、ポイントとなる場面について書き出しておくと、あとで、議論するときに便利そうですね。
参考までに、実際に、私が子どもテストをして書いたフィードバックを見てみましょう!(フィードバック Issue に書き込んだ内容をそのまま載せてます)
🍣スシローパビリオン
* 漁ゲーム画面 * 出題されている魚をタップして捕まえる、ということを理解していなかったようで、最初の数秒は、とにかく、泳いでいる魚をタップしまくっていた * たまたま、正解の魚をタップしたときに、右上のパネルにマルが付いたことから、パネルに表示されている魚を捕まえればいいんだ!ということに気付いていた * 以降、パネルに表示されている魚をじーっと見て、正解の魚をタップしていて、操作に迷うようなところはなかった * 寿司ネタ準備画面 * 何の迷いもなく、寿司ネタをタップしていた * 一個ずつポンポンと変えていく、というより、タップを連打して変えていく感じに近い操作だった * 最後、寿司ネタがキラキラするところを見て、これ以上、タップしなくてもヨサソウ!と悟っていたようだった * 寿司ゲーム画面 * 強制的にチュートリアルを全て見せられていた * 途中、早くやりたさが募って、タップとかしまくっていた * 説明をきちんと聞いていたか、というと疑問は残る感じ * お客さんが注文してきた寿司を作る、という基本ルールは理解している様子で、注文を受けた寿司を作り始めた * いきなり、3つ全ての寿司を作り始めた * そのあと、レーンに寿司を流す、ということに気付いておらず、しばし、固まっていた * 途中で、ダミー寿司が流れて来たことにより、ここに寿司を流せるかも?という予想が働いたのか、出来上がっていた寿司をレーンに置き始めた * 最初は、お客さんの手前、もしくは、前に置かないと、皿が流れて行ってしまい、食べてもらえない、ということに気付いておらず、皿がお客さんを通過してしまったりしていた * 手前に流す必要があることに気付いて、画面の一番左側に置き始めた * 1プレイ目は、操作感を覚えるところまでで時間切れになってしまい、スコアは2枚となった * それでも、くそー!つまらないー!もうやりたくないー!というネガティブな感情は抱いておらず、2枚だった〜!と言っていた * 2プレイ目は、操作方法に慣れていたので、最初から、また、3つ全ての寿司を作り始めた * 寿司ネタ選びに苦戦している様子はあまり見受けられなかった * ページャボタンも普通に使えている * 3つ全ての寿司をレーンに流したあと、また、次の3つ全ての寿司を作り始めた * スコアは、9枚まで上がった
💊スギ薬局パビリオン
* iOS: DeployGate#3 をプレイ * タイトル〜受付〜粉薬調合〜用法用量までプレイ出来るもの * 受付画面 * 処方箋が表示されたとき、こなぐすりのアイコンをタップしまくっていた * 質問するときの吹き出しタップは伝わっていたようで、ちゃんとタップ出来ていた * 粉薬調合画面 * 粉をドラッグで入れるところ、特に、問題もなくスッとやっていた * かき混ぜるところも、迷うことなく、ぐるぐる混ぜていた * 分包ではタップを要求しているけど、粉薬を機械に入れると認識したのか、下方向にスワイプしていた * スワイプするときもタップに反応するので、問題なく動作していた * 用法用量画面 * 電子お薬手帳が表示されたとき、処方箋のときと同様、タップしまくっていた * (ふざけてわざとタップしていた可能性ある) * 薬を選ぶ時点では、正解を選ぶ必要があると分かってなかったっぽくて、最初、不正解の薬を選んでいた * ボヨヨン SE を聞いたあと、これを選んでね!っていうカーソルに気が付いて、正解を選んだ * 用量を選ぶときには、ルールを理解出来ていて、わざと、不正解のものをタップしまくったりしていた * 最終的に正解をタップしていた
🍜丸亀製麺パビリオン
子どもテスト1回目
### ねぎ * チュートリアルを見てすぐやり方を理解していた * 両手の人差し指で、ひたすら連打していた * プレイしているときも楽しそうな表情をしている * スコアは 83 点だった ### うどん * チュートリアルを見た上でプレイを始めたけど、操作方法を全く理解出来ていなかった * 温かいと冷たいで麺が違うということにも気付いていないし、大、小、釜揚げで入れる器が違うということにも気付いていない * なんとなく操作して温かいうどんがドラッグ出来ることには気付いたけど、それをどこに乗せたらいいのか分からず、お盆に乗せたりしていた * たまたま、正解の器に乗せることが出来たけど、今度は、画面左側でお客さんが天ぷらを取ったり、おにぎりを取ったりしていて、何かする必要があるのかという感じで、画面左側をチラチラ見たり、触ったりしていた * 温かいうどんは覚えたんだけど、冷たいうどんがあるということに気が付かず、なんで乗せられないんだろう?という感じで右往左往していた * しばらくすると、冷たいうどんを触れることに気が付いて、ようやく、器に乗せられた * ゆっくりだけど、うどんは乗せられるようになってきた * ただ、画面左側の操作がさっぱり、分からず、お客さんを大渋滞させていた * スコアは 3 点だった
子どもテスト2回目
前回のビルドを一度プレイしたことがあるものの、うどんに関しては、ほぼ、仕様を理解していない状態で望んだ ### ねぎ * 自分から何回も繰り返しプレイしていた(今までにないような反応) * スコアは 150 〜 160 くらいを行ったり来たりしている ### うどん * 最初は、うどんをどうしたらいいか分からなかったものの、指ガイドが表示されてからは、その通りの操作をマネしてプレイしていた * 操作を繰り返すことで、お客さんが欲しがっているうどんを選ぶ、というところは難なく出来るようになった * 相変わらず、画面左側は、何をしたらいいんだろうか?という感じでチラチラと見たり、手が止まったりしている * しばらくして、天ぷらが足りなくなり、指ガイドが表示されたことで、ガイドのように天ぷらを運ぼうとしていた * ただ、どの天ぷらを運んだらいいのかよく分からず、何回も色んな天ぷらを箱に運んでいた * ガイドに注目していて、お客さんが欲しがっている天ぷら(吹き出し)の方は全く見ていない * おにぎりは、運ぶ箱が一箇所ということもあり、迷わずに運べていた * 天ぷらやおにぎりの方を見ているとき、操作しているときは、うどんの方は全く見ていない * 天ぷらの操作にハマっているときは、色んなところでガイドがたくさん出ていて、混乱している感じがあった(ああ、どうしたらいいんだろう?みたいな感じ) * スコアは、8 人だった * 楽しそうにプレイしているという感じはなく、翻弄されている感じ
🍉ライフパビリオン
* キャラクター選択画面 * 男の子を選択したあと、女の子を選択して、最後に、男の子を選択した * 出題画面 * 買うものをタップしていた * 店内画面 * 読み込み時間が異常に長く待たされることがあった(2〜3分くらい) * 画面上部に買うものが表示されていることを気付いていた * 適当にタップして陳列棚画面へ遷移した * 以降は、画面上部の買うものを見ながら、どこにありそうか考えてからタップしていた * 陳列棚画面 * すぐ、ドラッグしてカゴに入れられることに気付いていた * 画面左側に買うものが表示されていることをにも気付いていて、対象のものをカゴに入れていた * わざと、全部のものをカゴに入れようとしたりしていた * 画面上部からドラッグするため、3回に1回くらいの高頻度でコントロールパネルを引き出してしまっていた * 画面右下の矢印ボタンをタップして、店内画面へ戻れていた * 特に、詰まるところなく遊べていた
という感じです。
ところどころ、所感的な微妙なコメントもチラチラありそうですが、事実だけを書き出すのは、なかなかに難しいですね・・・精進します!
💭所感を書き出す
事実を元にして、観察者としてどう感じたかを書き出します。主に、イイカンジだったところ、問題がありそうだったところとその解決案、懸念事項、改善することでより良くなりそうなところなどを、辛辣に書き殴ります。遠慮はいりません。
子どもテストの結果が全てというわけではないですが、子どもはとても素直でいて、そして、無慈悲です。楽しいものは楽しいと言い、つまらないものはつまらないと言います。どんな結果が待ち受けていようとも、それを受け止める必要があります。何かしらの対応をするしないは別として、ここでは、感じたことを全て書き出すようにしています。
それでは、所感についても、実際に、私が子どもテストをして書いたフィードバックを見てみましょう!
🍣スシローパビリオン
* 魚の動きや寿司を作る体験は、とても楽しそうにプレイしていた * プレイしているときの姿は真剣そのもの * 漁ゲーム画面も、パネルの魚アイコンが小さくてアレかな?という不安があったけど、意外にも、ちゃんと見てプレイしていた * なんとなくタップしていてもプレイは進むので、そこまで、深刻に考えてなくてもヨサソウだった * 1周プレイするのに、2分〜3分くらいかな?という印象で、ちょうどいい長さ感あった * 寿司ゲーム画面の制限時間は、今の 90 秒がちょうどヨサソウ * これ以上、短くなってしまうと、全然、寿司ネタを作る時間がナサソウ * 結構、長めの秒数だと思うけど、思ったより、集中力は切れたりしない絶妙な秒数っぽい * 小さい子は、あまり、スコアは伸びないかもしれない * スコアを伸ばすためにレーンの流れる速度を速くする案も出ていたけど、そういう問題じゃなくて、そもそも、寿司ネタを作ることに時間が掛かってしまう感じがある * 軍艦の寿司ネタの分かりにくさをどうにか出来ないか * イクラなどのあからさまなやつは簡単だけど、コーンやツナサラダの難しさよ * コーンやツナサラダは、大きな画像で見れば分かりそうだけど、この小ささで見ると、やっぱり、ナニコレ?な感じがするんですよね * 無駄な迷いを生じさせるくらいなら、寿司ネタリストから外してもいいのでは?という気がしてる * ダミー寿司の上に重ねて置いてしまったとき、SE を鳴らしてもいいかも? * 置いたつもりだったけど、置けてなかったときって、レーンに期待した寿司皿が置かれず、元の位置に戻るのを視覚的に確認する感じなので、一瞬「???」となる感じがある * ボヨヨン!みたいな SE を入れて、置けなかったことを伝えても良いかも? * ダミー寿司、もう少し出現頻度を下げてもいいかも? * なんなら、初回は、ダミー寿司出ないくらいでもヨサソウ * もしくは、ハイスコアが10皿を超えるまではダミー寿司を出さない、とかでもヨサソウ * とにかく、最初の不慣れな状況では、ダミー寿司が出て来ない方が気持ちよくプレイ出来そう * 寿司ネタの種類を減らす? * 寿司ネタがズラッと10種類並んでいるので、迷う迷う * 90秒という短い時間内で、この寿司ネタはこの位置、、あの寿司ネタはあの位置、という位置関係を覚えることは困難なので、全ての注文で寿司ネタを探す行為が発生してしまって、時間が掛かってしまう * いっそ、寿司ネタ5種類くらいにして、スクロール取っ払ってもいいんじゃないか?と思えてきた * やりこみ要素やドキドキハラハラ感は多少失われてしまう気がするけど、低年齢層に向けるなら、そうした方がいいのかなぁっていう印象です
💊スギ薬局パビリオン
* 全体を通して、今のところ、手が止まるようなところはなかったと思う * 質問の吹き出しは、タップしたときにぽわん!と反応させた方がタップしたことを確実に伝えられそうだなと感じた * 粉薬のかき混ぜは、あっという間に終わっていたので、もっとかき混ぜる感じに増してもいいかもしれない * 用法用量のところも、すぐに、タップする必要があるということを理解していたし、正解はこれだよ〜!っていうフォーカスもあるので、ヨサソウ〜! * 楽しんでプレイしていたか?というと、割りと、ここは紙芝居的な感じなので、淡々とプレイしている感じではあった * ここはまぁ、そうだよね、という印象 * ということで、全体を通じて、現時点では、それほど、大きな問題点は見受けられないなぁっていう感じでした!
🍜丸亀製麺パビリオン
子どもテスト1回目
* ねぎは、操作に詰まるところもなかったし、子どもも楽しんでいたのでヨサソウ! * うどんは、課題が多そう * やることと、やらなくていいことが多い(情報量が多い)ので、理解が難しく混乱しがちになる * 分からなすぎてもうやりたくない、といった感じだったので、2回目のプレイをしてもらえなかった * 長い時間、正解出来ない場合は、ヒント的なガイドを出してあげてもいいのかも?
子どもテスト2回目
* 前回のビルドと比べると、指ガイドが表示されたことによって、フォローが出来るようになっていた * 天ぷらは種類が複数あることと、ランダムに配置されていること、更に、入れるべき箱が複数あること、と仕様が複雑なので、もっと分かりやすいフォローが必要そう * 指ガイドの動きが早いので、指ガイドがどの天ぷらを指し示していたのか分からない * 「この天ぷらをここに置こう」ということがもっと明確になるとヨサソウ * ガイドによるフォローは出来ても、この天ぷらの部分に関しては、どこに何を置いたらいいのか分からないままで、ガイドを見ないと分からない、もしくは、何回もプレイして覚えないといけないというところがつらそう * あとは、全体的に当たり判定が小さい?のか、何度もドラッグし直そうとしている感じがした * 要素が小さいので、当たり判定が小さいと掴みにくい * ねぎは何も問題ナサソウ!
🍉ライフパビリオン
* 陳列棚画面の画面最上部にある食べ物をドラッグする、という操作は、しょっちゅう、コントロールパネルを引き出していたので、もうちょっと考慮出来るとヨサソウ * それ以外は、特に、操作で詰まるようなところは見受けられなかったため、問題はナサソウ! * このくらいの年齢の子どもには簡単過ぎることもあって、達成感や面白さはそこまでなかった様子・・・ * レジでスキャンして楽しい〜!みたいな体験が入っていたら、また、違ったかも
という感じです。
ここで書き出した所感は、あくまでも、観察者としての所感になるため、実際に、ここで提案した対応をするかどうかは、プロジェクトメンバーで議論した上で決定しています。
どちらかというと、この所感は、子どもテストのフィードバックを踏まえて、どういう対応を取るべきかの叩き台として考えた方がいいかもしれませんね。
ここまで来たら、あとは、このフィードバックをプロジェクトメンバーに共有して、対応内容について議論しまくるだけですね!
子どもテストは、本当に色々なことを教えてくれるので、絶対にやるべきだと思います。プロダクトのことを考えたら、もういいことしかありません。
過去には、開発したコンテンツが子どもたちに不評過ぎて、丸ごと企画をボツにしたこともあります。あのときは「こんなつまらないゲーム、2度とやりたくないっ!」と我が子にブチキレられて、かなりの精神的ダメージは負いましたが、あのまま、リリースしていたら、もっとクリティカルなダメージを負っていただろうと思うと、屁みたいなもんです。
但し、子どもテストと言えど、準備もしないでなんとなく子どもがプレイしているときの様子を流し見ているだけでは、その効果も薄れてしまいます。
良いブラッシュアップは、良いフィードバックから!
繰り返し子どもテストを経験して、観察眼を持つことが良いフィードバックをすることに繋がり、ひいては、良いブラッシュアップを生み、良いプロダクトを育てることに繋がります。
以上、子どもテストってどうやってるの?を言語化して記事にしてみました。雑に書き殴っているので、まだ、色々と過不足あるかもですが、日々、アップデートして行きたいと思います。
これを機に、子ども向けのプロダクトを開発しているみなさんも、たしかに〜!とか、いやいや、それは違うだろ!とか、うちはこうやってるよ!とか、なんか色々と共有してくれたら幸いです!
ではでは〜!