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『パパは、絵本作家』を読みました!

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最近、のぶみさんという絵本作家さんが描く絵本が、私の子どもたちの中でブームになっています。これまでに読み聞かせてきたどんな絵本よりも、「よんで!よんで!」と言って持って来るので、今では、家族みんなのお気に入りの絵本たちになっています。今回は、そんな絵本を描いている、のぶみさんという絵本作家さんの書いた書籍について紹介したいと思います。

息子が目を輝かせた絵本

ある日、ショッピングモールにある絵本コーナーで子どもたちに絵本を読み聞かせていたとき、本棚に面白そうな本が並べられていることに気が付きました。

ぼく、仮面ライダーになる! ゴースト編 (講談社の創作絵本)

ぼく、仮面ライダーになる! ゴースト編 (講談社の創作絵本)

本物の仮面ライダーが描かれている表紙にも驚いたんですけど、それ以上に、ちょうどそのとき、息子が仮面ライダーゴーストにスゴくハマっている時期だったんですよね。だから、この絵本を店頭で見つけたときの、息子の目の輝きがハンパなかったです。これはもう読むしかないだろ!ということで、その場ですぐ、子どもたちに読み聞かせしてあげました。息子は終始、ニコニコしていて、とても楽しそうにしていました。読み終わるとすぐ「もっかい!よんで!」と言うので、また始めから読んであげました。その場で3回くらいは読んであげたかもしれません。そのくらい、息子が気に入っていたので、普段はそんなに絵本をホイホイ買ったりしないんですが、嫁さんと話してすぐ買うことに決めました。

この絵本、イラストがゆるふわでとにかくカワイイんですよね。でも、それだけじゃない。ただ仮面ライダーが出て来るだけの絵本でもないんですよ。子どもたちがいかにも喜びそうな言葉遣いでふざけたりしている一方で、締めるところは締める、きちんと伝えたいメッセージがそこにあるという感じになっているんですよね。それだけではなくて、絵本の至るところに、子どもたちが飽きないように、何回も読みたくなるような楽しい仕掛けがたくさん用意されているんです。初めてこの絵本を読んだときから、子どもにスゴく寄り添ってる印象を受けたんですよね。なんか、今までの絵本と違うぞっ!という感じがしたんです。

実は、去年一番売れた絵本を描いた絵本作家さんだった

なんだか見覚えのあるイラストだなぁって思って、「この絵本のイラスト、どこかで見たことあるよね?」って嫁さんに聞いてみたら、「NHK のおてて絵本のイラストを描いているひとだよね!」って言われて、はっ!と気が付きました。確かに、そうかも・・・かもというか、そうなんですけど、誰が描いているかなんて全く知らなかったし、興味すら持っていなかったんですよね。それで、よくよく調べてみると、去年、一番売れた絵本を描いた、のぶみさんという絵本作家さんだということが分かりました。ちなみに、この絵本が、去年一番売れた絵本みたいで、最近では、よくテレビで紹介されたりもしていますね。最近、私も買いました。「死」をテーマにした絵本なので賛否両論ありそうですが、私は好きです。

ママがおばけになっちゃった! (講談社の創作絵本)

ママがおばけになっちゃった! (講談社の創作絵本)

パパが目を輝かせた絵本作家さん

のぶみさんの絵本を子どもたちに読み聞かせている内に、この絵本を描いたひとはどういうひとなんだろう?どういう想いで絵本を描いているんだろう?ということが、だんだん気になり出したんですよね。いやぁ、気になるじゃないですか、心に響く何かを持ってるひとって。私は「子どもが楽しくなることや夢中になること」に対して人一倍、興味や関心を持っているので、「子どもたちを夢中にさせるこの絵本はスゴイ!今までの絵本にはない反応だし!これはただ事じゃないぞ!なんなんだろう、なんなんだろう、これはっ!」と、もうのぶみさんが気になって仕方なくなり、Twitter や Facebook や公式サイトを見て回ったり、過去の絵本の作品を眺めまくりました。そうこうしている内に、過去に、のぶみさんが書き下ろした自伝があることを知りました。2012年に出版された書籍なんですが、そんなことはもうお構いなしで即ポチリましたよね。

パパは絵本作家

パパは絵本作家

スゴく・・・いい!

雑な感想になりますが、この書籍、スゴくいいです。子育てしているパパやママみんなに読んでもらいたいくらい、スゴくいいです。自伝って聞くと、小説っぽくて、少し固くて、武勇伝でも語ったりしてるような印象を受けるわけなんですけど、そういうの一切なくてですね、全編、絵本!なんですよ。大人向けの絵本になってるんですよ、これが。のぶみさんと子どもたちのエピソードが、幾つかの章立てになっていて、絵本のように描かれているので、とても読みやすいです。ボリュームもそんなに多くないので、30分くらいでサクッと読める分量になっていて、マジオススメです。

絵本を描く衝動の根源

書籍の中で、のぶみさんはこう言っています。

「この世の中に面白いことはいっぱいあるんだよ 」
「おまえが生きてるってのは、すばらしいんだよ」とわかってほしい。
だから、喜ばすことをする。それがぼくの喜びであり、幸せでもあるのだ。

そして、こう言っています。

自分の子どもが喜ぶ絵本を描きたい。
もうホントそれでしかない。

「はー、スゴくいい!分かるっ!分かるよ、それ!」と勝手に共感して、心の中で何度も叫びました。絵本を描く衝動の根源は、子どもたちを喜ばせたいという思いであり、それが自分の幸せにも繋がっている。だから、そのために、真っ直ぐと絵本と向き合って描き続けているというわけです。子どもに対して見返りを求めない親の気持ち、そのものですね。もうほんと、子どもたちが大好きなんだろうなぁっていうのがひしひしと伝わって来ました。

のぶみさんは、若いころ、暴走族をしていたそうで、相当なワルだったそうです。よく、昔、悪いことをしていたひとが更生して、今ではこんな立派なことをしているんですよ!っていう注目のされ方をすることがあるんですが、そういう比較の仕方ってほんとクソだと思うんですよ。ほとんどのひとが、悪いことなんてせずに、普通に生きてきて、今を必至に生きているわけだからね。黒歴史は黒歴史で覆しようがないものだし、そこを比較対象にするのはおかしくないですか?と思うわけですよ。でも、のぶみさんは、そういう過去を持ちつつも、絵本と出会って、向き合って、絵本作家になるまでの過程が尋常じゃないくらいにストイックなんですよ。悪いことをしていた過去は消えないけど、それを全て抜きにしても、絵本作家になるために相当な努力をしているんですよね。一月に何千冊も絵本を読んで研究するとかね、私も、もっと知育アプリを遊んで研究しなくちゃならんですよ、ほんとに。のぶみさんは、それに加えて、子どもたちと真剣に向き合って、子どもたちが喜ぶことだけを考えて考えて考えまくって絵本を描いているわけですからね。我々エンジニアの言葉で言えば、子ども駆動開発ですよ。

パパほんやさん、それな!

基本的に、絵本は自宅で描いているそうで、夜な夜な、子どもたちと触れ合う時間を設けているそうです。そこで、パパが選んだ幾つかの絵本の中から子どもたちが好きな絵本を選んで読み聞かせをするという「パパほんやさん」をやっているんだそうです。このエピソードを読んだとき、それな!とまたもや、心の中で共感しました。実は、私も週末の夜だけ、のぶみさんと同じように「パパほんやさん」をやっているからです。週末の夜になると、いつも「パパ、今日絵本読める?一人何冊まで読める?」と聞いてきます。子どもたちは好きな絵本を飽きることなく、何度でも持って来るんですよね。のぶみさんは、このエピソードの中でこんなことを言っていました。

不思議なもので子どもが好きになった絵本は、自分も大好きになる。

これ、なんでですかね、ほんと、そうなんです。絵本に限らずなんですけど、子どもたちが好きなものに対して、自分の興味が引っ張られる感じがあるんですよね。一緒に好きを深めて行く感じも、スゴくいいですよね。

遠い未来にやってくるであろう娘の結婚式に思いを馳せる

他にも、たくさん「いい感じ」のエピソードがあるんですが、その中でも、娘と結婚式ごっこをするエピソードがスゴく好きです。本物の教会を貸しきって、身内のひとだけ集めて、娘のお気に入りのおもちゃたちを友人として招いて、パパと娘で結婚式を挙げてしまうという、絵本にもなっている仰天エピソードなんですが、電車の中で読んでいて思わず号泣しそうになりました。のぶみさんがね、「将来、娘が結婚するとき、ひと目も気にせず、号泣してしまうんだろうな・・・そして、この結婚式ごっこのときのビデオが流れたりして、またわんわん泣いてしまうんだ」って思いを馳せているところがあってですね、これはもう、娘を持つ全パパが共感して号泣しますよ。ちなみに、私は、娘が結婚式を挙げるとき、泣く自信しかありません。

このエピソードの中で、のぶみさんが言っている言葉がもう最高でした。

親ってなんなんだろうな、与えて与えて与え続けてさ。
それなのに、子どもからなにか求めることなんてひとつもないよ。

親って不思議な生き物ですよね。

当たり前の日常にこそ、感謝しよう!

書籍の巻末の最後の言葉は、これでした。

生きてるだけでしあわせ。

日々、子どもたちは、楽しいコトやモノを探して一生懸命に生きています。その子どもたちの気持ちとどう向き合い、どう接するか、全ては、自分次第です。楽しい時間にするのも、つまらない時間にするのも自分次第です。どうせなら、楽しい時間にした方がいいじゃないですか。どうせなら、子どもたちだけじゃなくて、自分も一緒に楽しみたいじゃないですか。その方が、ずっと、子どもたちも楽しいはずです。だから、私は、子どもたちと遊ぶとき、自分も心から楽しめるように、本気で一緒に遊ぶことにしています。そうすることが子どもたちのためでもあり、自分のためにもなるからです。何より、そうすることが楽しいからです。

当たり前の日常には、小さな幸せがたくさん隠れています。こうして生きていられることに、こうして家族みんなで過ごせる日常に、感謝しよう!

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